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四字熟語

漢字四文字で構成される四字熟語を例文つきで斬ります。

帝王切開(ていおうせっかい)

★帝王切開(ていおうせっかい)

【意味】
自然の経膣分娩ではなく、手術による分娩。

【類義語】


【文学作品における例文】
産道を通らないから肌に異物が付着しない帝王切開で生まれた赤ちゃんのつやつやした頬を連想させる、この世を超えたやわらかな皮膚にその子は包まれており、技術的な問題はわからないけれど不思議にほっとする加減の光を身体中で受けとめていた。
●堀江敏幸『熊の敷石』

【管理人が考えた現代的例文】
アタシはよく「おしとやかさを母親の胎内に置き忘れてきたようだ」と言われるわ。でもアタシって帝王切開だったから、その時ついでに拾っておいてくれても良かったのに、って今でも思うわけよ。

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【参考文献】

『熊の敷石』堀江敏幸
講談社文庫。第124回芥川賞受賞作。

最初文字:09画
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巫女装束、千早、白衣、緋袴……

適怨清和(てきえんせいわ)

★適怨清和(てきえんせいわ)

【意味】
あまりに優美で怨めしい程であり、清らかで調和がとれている様子。

【類義語】


【文学作品における例文】
二人共に何れ劣らぬ優美の姿、適怨清和、曲に随って一絲も乱れぬ歩武の節、首尾能く青海波をぞ舞ひ納めける。
●高山樗牛『滝口入道』

【管理人が考えた現代的例文】
アイツはいわゆる本格派の右投手だ。走者を背負っていない時はゆったりとワインドアップし、美しいフォームからド真ん中へ渾身のストレートを投げ込む。マウンド上で舞うような姿は適怨清和と讃えるに相応しい。

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【参考文献】
『滝口入道』高山樗牛岩波文庫。

最初文字:14画
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適材適所(てきざいてきしょ)

★適材適所(てきざいてきしょ)

【意味】
任務や地位が、能力や性質の面からよく合っていること。

【類義語】


【文学作品における例文】
しかし、二人とも、小さいときからオートバイと自動車が非常に好きで、その意味では自動車隊や戦車隊は適材適所と言えたかもしれなかった。
●清岡卓行『アカシヤの大連』

【管理人が考えた現代的例文】
子供の頃から無鉄砲さとは無縁で、要領良く立ち回って得ばかりしている。それでいて頭も良くて学歴も高く、家柄も良くてお金も持っているものだから、政治家になるには適材適所といえる。

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【参考文献】

『アカシヤの大連』
講談社文芸文庫。第62回芥川賞受賞。

最初文字:14画
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適者生存(てきしゃせいぞん)

★適者生存(てきしゃせいぞん)

【意味】
自然界や社会の中で、環境に適している者が生き残っていくということ。不適の者はやがて淘汰されていく。

【類義語】


【文学作品における例文】
「雑草取ってると適者生存の法則考えるのよね」
節ごとにどこからでも根をつける芝のような草がたぶん自然の中で一番強い形態なんじゃないかと言うのだった。
●保坂和志『この人の閾』

【管理人が考えた現代的例文】
そのアイドル歌手は、歌は絶望的に下手だったけれど、顔がそこそこ可愛くて胸が大きかったのでコアなファンに支持されて売れた。……これが、社会学者ハーバード・スペンサーが提唱した「生物進化論」で言うところの適者生存の法則なのかねぇ。

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【参考文献】

『この人の閾』保坂和志
新潮文庫。第113回芥川賞受賞作。

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徹骨徹髄(てっこつてつずい)

★徹骨徹髄(てっこつてつずい)

【意味】
骨身にしみること。ものごとの中核、真髄まで達すること。心の奥底に染み込むこと。

【類義語】


【文学作品における例文】
所謂楽は物に着するより起るが故に、あらゆる苦しみを含む。但詩人と画客なるものあって、飽くまでこの待対世界の精華を嚼んで、徹骨徹髄の清きを知る。
●夏目漱石『草枕』

【管理人が考えた現代的例文】
食べ物が腐っているわけではないので、味や臭いに異常は無かったが、夏の食中毒がいかに怖ろしいかを徹骨徹髄思い知った。

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【参考文献】

『草枕』夏目漱石
新潮文庫。

最初文字:15画
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徹頭徹尾(てっとうてつび)

★徹頭徹尾(てっとうてつび)

【意味】
最初から最後まで。一貫して。あくまでも。

【類義語】
首尾一貫(しゅびいっかん)。終始一貫(しゅうしいっかん)。首尾相応(しゅびそうおう)

【文学作品における例文】
菊代は、自分よりかしあわせな境涯をもち、女学校さえ出たという梅やが、女のする仕事について、徹頭徹尾反対らしい心でいるのが不思議で仕様がない。
●中里恒子『乗合馬車』

【管理人が考えた現代的例文】
クールな性格の女性キャラクターは当初、「バカでスケベでどうしようもない奴」と主人公の少年を嫌っていた。だがストーリー内で徹頭徹尾彼を嫌い通すことができず、物語終盤では主人公に惚れてしまった。

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【参考文献】

『芥川賞全集 2』単行本。第8回芥川賞受賞作、中里恒子『乗合馬車』収録。

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手練手管(てれんてくだ)

★手練手管(てれんてくだ)

【意味】
他人を騙して都合良く操る手段、技巧。

【類義語】


【文学作品における例文】
もしそうだとすれば、彼女こそとんだ喰わせ者であり、魔術師とは言わないまでも、手品師ぐらいの値打は十分あるだろう。やはり色恋沙汰になると、魔術師といえども男は手練手管に弱いようである。
●渋沢龍彦『黒魔術の手帖』

【管理人が考えた現代的例文】
アタシが料理苦手と知ってのことなのか、手作りお弁当を作ってくるとは、あの娘は卑怯だ。そんなものは愛情じゃなくて単なる手練手管なのだと、アイツには気付いてもらいたい。

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【参考文献】

『黒魔術の手帖』渋沢龍彦
文春文庫。

最初文字:04画
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テーマ:四字熟語 - ジャンル:学問・文化・芸術

天衣無縫(てんいむほう)

★天衣無縫(てんいむほう)

【意味】
物事に技巧を凝らした形跡が見られない自然なこと。人柄が自然で飾り気がないこと。物事が完全であること。

【類義語】
無縫天衣(むほうてんい)

【文学作品における例文】
この辺で止めて置けば万事が天衣無縫で、彼女の正体も暴露されず、私の病院も依然としてマスコットを失わずにすんだ訳であったが、好事魔多し、とでも言おうか。
●夢野久作『少女地獄』

【管理人が考えた現代的例文】
アニメのヒロインは天衣無縫な美少女で絶大な人気を博しているが、現実にこんな人物が身近にいたら凄い迷惑でイヤだろうなぁ。

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【参考文献】

『少女地獄』夢野久作角川文庫。

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天涯孤独(てんがいこどく)

★天涯孤独(てんがいこどく)

【意味】
身寄りが無く、一人ぼっちであること。

【類義語】


【文学作品における例文】
身寄りのないわたしは、祖母に引き続く叔母の死で、本当に声も出ないほど動転していた。夫も息子もいるのに、これで天涯孤独になった、とひたすら思い込んでしまって、夫の顔を見ても、なんの感慨もわかなかった。
●瀧澤美恵子『ネコババのいる町で』

【管理人が考えた現代的例文】
父も、身重の母も、弟も失い、彼は十歳になるかならずの頃に天涯孤独の身となった。親戚の家に引き取られたが、そこには建物としての家はあっても落ち着ける家庭は無かった。

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【参考文献】

『ネコババのいる町で』滝沢美恵子文藝春秋。第102回芥川賞受賞作。

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天下一品(てんかいっぴん)

★天下一品(てんかいっぴん)

【意味】
この世の中に、他に並ぶものが一つも無いほど優れている人や物。

【類義語】


【文学作品における例文】
「バカだよな。消しゴムひとつで、人生パァかもしんないのにな」
人の悪口をいわせたら天下一品の吉田がいうと、
「たったの十二歳で人生パァ」
と、あわせるように鈴木がいった。夏休み前のゼッコウさわぎで「あんなやつとは一生、口をきかない」なんていってた二人が、もう仲直りをしたらしい。それはいいけど、どうして、いっつもウワサばっかりしてるんだろうか、こいつらは。ほかにすることないのかなぁ? と、ぼくは思った。
●笹生陽子『ぼくらのサイテーの夏』

【管理人が考えた現代的例文】
「何を失礼なことを言っているんですか。グリーグは北欧ノルウェーを代表する偉大な作曲家じゃないですか。代表作『ペール・ギュント』は超有名じゃないですか。その中の『朝』なんて誰でも一度は聞いたことのある耳馴染みのある美しい旋律ですし、『ソルヴェイグの歌』だって哀愁の籠もった天下一品の名曲ですよ。知らないんだったら、家に帰ってからようつべかニコ動あたりで探してみてください!」

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【参考文献】

『ぼくらのサイテーの夏』笹生陽子
講談社文庫。

最初文字:04画
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